「趣味」と聞くと、あなたはどんなイメージを思い浮かべますか?
「没頭できるもの」「プロ級の腕前」「毎週の練習」…もしかしたら、そんなストイックな姿を想像して、なんだかハードルが高いと感じているかもしれませんね。
でも、ちょっと待ってください。もし、あなたが「趣味なんて時間がない」「疲れてて、新しいことを始める気力も湧かない」と感じているなら、それはもしかしたら「頑張りすぎ」な趣味のイメージに囚われているからかもしれません。
私たちは、日々の仕事や家事、子育てに追われ、「頑張る」ことが当たり前のようになっています。そんな中で、趣味まで「頑張るもの」にしてしまったら、いつかきっと心が疲れてしまうでしょう。
そこで今回提案したいのが、「ゆる趣味」という考え方です。

趣味してる?



忙しいすぎて、毎日続かない
- 「ゆる趣味」とは
- なぜ「ゆる趣味」が必要か?
- 「ゆる趣味」をみつけるヒント
- 「ゆる趣味」具体例
- 継続するための秘密兵器
「ゆる趣味」って、一体どんな趣味のこと?
「ゆる趣味」とは、無理なく、気楽に、自分のペースで楽しめる趣味のことです。
- 完璧を目指さない
- 成果にこだわらない
- 誰かと比較しない
- やりたい時に、やりたいだけ
これが「ゆる趣味」のキーワードです。
例えば
- 毎週決まった時間に習い事に行くのではなく、気が向いた時に好きな映画を観る
- 何時間もかけて凝った料理を作るのではなく、ちょっと贅沢なコーヒー豆でハンドドリップを楽しむ
- 本格的な一眼レフを抱えて出かけるのではなく、スマホで日常の一コマを切り取る
これら全てが「ゆる趣味」になり得ます。大切なのは、「これをやっていると心が満たされるな」「なんだかホッとするな」と感じられること。義務感やプレッシャーを感じることなく、ただ純粋に「楽しい」と感じられる時間を持つことです。
なぜ今、「ゆる趣味」が必要なのか?
現代社会は、情報過多でストレスフルです。常に誰かと繋がり、比較され、評価されることに私たちは無意識のうちに疲弊しています。そんな中で「頑張りすぎ」な状態が続くと、心身に様々な不調をきたす可能性があります。
「ゆる趣味」を持つことは、そんな現代を生きる私たちにとって、まるで心のサプリメントのような役割を果たしてくれます。
ストレスの軽減とリフレッシュ効果


頑張りすぎている心と体を、趣味の時間が優しく解き放ってくれます。仕事や日常生活で抱えたストレスを忘れ、好きなことに集中することで、気分転換になり、心身がリフレッシュされます。これは、ストレスホルモンを減少させ、幸福感を高める効果も期待できます。
自己肯定感の向上


「完璧にできないといけない」というプレッシャーから解放され、ただ「楽しい」と感じることに集中することで、小さな達成感や喜びを感じられます。この小さな喜びが積み重なることで、「自分はこれでいいんだ」「自分の好きなことで楽しめている」という自己肯定感に繋がります。誰かと比較することなく、自分自身の喜びを大切にする時間を持つことは、心の安定に不可欠です。
新たな発見と視野の拡大


ゆるい気持ちで始めた趣味が、思わぬ新しい世界への扉を開くことがあります。新しい知識を得たり、これまで知らなかった視点に気づいたりすることで、日々の生活に彩りが加わり、視野が広がります。それは、仕事や人間関係においても、良い影響をもたらす可能性があります。
メンタルヘルスの維持・向上


無理なく続けられる趣味は、心の健康を保つ上で非常に有効です。特に、何かを「生み出す」創造的な趣味(絵を描く、文章を書くなど)や、「没頭する」趣味(読書、音楽鑑賞など)は、マインドフルネス効果も期待でき、ストレスや不安の軽減に役立つと言われています。
今日から始める「ゆる趣味」を見つけるためのヒント
さあ、「ゆる趣味」の重要性は分かったけれど、具体的にどんな趣味を選べばいいの?そう思った方もいるかもしれませんね。ここからは、あなたにぴったりの「ゆる趣味」を見つけるためのヒントをご紹介します。
まずは「好き」の原点を探る


- 子どもの頃、夢中になったことは?
絵を描くのが好きだった、本を読みふけっていた、ブロックで何かを作るのが得意だった、など、大人になって忘れてしまった「好き」を思い出してみましょう。 - 「これ、やってみたいな」とふと思ったことは?
SNSで流れてきた写真に惹かれた、カフェで隣の人がしている手芸を見て興味を持った、など、心に引っかかった小さな「やってみたい」を見逃さないで。 - お金をかけずにできることは?
散歩、読書(図書館利用)、映画鑑賞(配信サービス利用)、スマホでの写真撮影など、初期投資が少ないものから試すのも良い方法です。
ハードルを極限まで下げる


- 道具は「お試し」からスタート
最初から高価な道具を揃える必要はありません。100円ショップの画材、無料のアプリ、家にあるもので代用できるものから始めましょう。 - 時間は「スキマ時間」を活用
「〇時間確保しないとできない」という思い込みを捨てて、15分、30分といった細切れの時間でもできることを探しましょう。通勤電車の中、寝る前の数分、休憩時間など。 - 完璧主義は一旦お休み
「上手じゃなくてもOK」「完成しなくてもOK」というマインドで取り組みましょう。目的は「楽しむこと」です。
過去の「挫折経験」から学ぶ


「以前〇〇に挑戦したけど続かなかった…」という経験はありませんか?それは「あなたに向いていなかった」のではなく、「やり方がストイックすぎた」だけかもしれません。
例えば
- ジョギングが続かなかった
→ 毎日走るのではなく、週に1回、景色が良い場所をゆっくり散歩する「ゆるウォーキング」にしてみる。 - 語学学習が続かなかった
→ 文法書とにらめっこするのをやめて、好きな海外ドラマを字幕なしで見る、好きな洋楽を歌詞を見ながら聴く「ゆる語学学習」にしてみる。 - 料理が続かなかった
→ 凝ったものを作るのをやめて、お気に入りの調味料を探したり、新しい盛り付けに挑戦したりする「ゆる料理研究」にしてみる。
挫折経験は、「どうすればもっと楽に楽しめるか」を考えるための貴重なヒントになります。
おすすめの「ゆる趣味」具体例
それでは、具体的にどんな「ゆる趣味」があるのか、いくつか例を挙げてみましょう。
デジタルを活かした「ゆる趣味」


- スマホ写真
プロ顔負けのカメラアプリも充実。日常の何気ない瞬間を切り取るだけで、新たな発見があります。SNSに投稿して誰かに見せるのも良いですが、まずは自分だけのアルバムを作るつもりで、心惹かれるものを撮ってみましょう。 - 動画鑑賞(映画・ドラマ・ドキュメンタリー)
定額制の動画配信サービスが充実している今、手軽に多様な作品に触れられます。ボーッと眺めるだけでも良いですし、特定の監督やジャンルを深掘りするのも楽しいです。 - オンラインゲーム(ソシャゲ・カジュアルゲーム)
複雑なストーリーや対戦ではなく、パズルゲームや育成ゲームなど、短時間で気軽に楽しめるものがおすすめです。 - デジタルイラスト・デザイン
iPadやパソコンで、無料のソフトやアプリから始めてみましょう。最初は下手でも、自分の好きなキャラクターや模様を描くのは楽しいものです。 - SNSでの情報収集(特定のジャンルに特化)
広く浅く見るのではなく、興味のある特定のジャンル(インテリア、ファッション、旅行、特定の芸能人など)のアカウントをフォローして、眺めるだけの「ゆる情報収集」も気分転換になります。
アナログ・五感を刺激する「ゆる趣味」


- 読書
図書館を利用すれば費用もかかりません。ジャンルを問わず、気が向いた時に好きなページを開く、そんな「ゆる読書」で十分です。 - 散歩・ウォーキング
特別な道具は不要。近所の公園を散策したり、少し遠くまで足を伸ばして知らない街を歩いたり。季節の移ろいや街の音を感じるだけでも、心が落ち着きます。 - 植物を育てる
観葉植物やハーブなど、小さな鉢植えから始めてみましょう。水をあげたり、葉の成長を眺めたりする時間は、心を穏やかにしてくれます。 - コーヒー・紅茶を淹れる
お気に入りの豆や茶葉を見つけて、丁寧に一杯を淹れる時間。香りを楽しみ、温かい飲み物をゆっくりと味わう行為は、最高の癒しになります。 - 手芸・編み物・塗り絵
細かい作業に集中することで、心が落ち着き、ストレス解消にもなります。完成しなくても、途中の過程を楽しむことが「ゆる趣味」の醍醐味です。 - 音楽鑑賞・楽器演奏(ゆるく)
好きな音楽を聴くだけでも良いですし、昔買った楽器を引っ張り出してきて、コードを一つ鳴らすだ






創作系の「ゆる趣味」


- 日記・ジャーナリング
毎日書かなくてもOK。気が向いた時に、その日の出来事や感じたことを自由に書き出すだけで、頭の中が整理されます。 - ゆるブログ・SNS投稿
誰かの役に立つことや、完璧な文章を目指さなくても大丈夫。「今日はこんなことしてみたよ」「こんなもの見つけたよ」と、気ままに発信するだけでも、アウトプットの楽しさを感じられます。 - スクラップブッキング
雑誌の切り抜きや、写真、チケットの半券などを自由に貼り付けて、自分だけの思い出のアルバムやアイデア帳を作ります。
「ゆる趣味」を続けるための「秘密兵器」
せっかく見つけた「ゆる趣味」、長く続けるためにはちょっとした工夫が役立ちます。
「やりたくない日」は無理しない!


これが最も重要な「秘密兵器」です。人間ですから、気分が乗らない日や、疲れていて何もしたくない日は必ずあります。そんな時は、迷わずお休みしましょう。「今日はやらなくてもいい」と自分を許すことで、翌日以降にまた「やりたい」という気持ちが自然と湧いてきます。


目標は「継続」ではなく「楽しむこと」に置く


「毎日〇〇をやる」「〇ヶ月でプロになる」といった目標設定は、「ゆる趣味」には向きません。あなたの目標は、「その時間を純粋に楽しむこと」です。楽しんでいれば、結果的に継続に繋がります。
小さな変化や発見を記録する


例えば、スマホ写真なら「お気に入りの一枚」をフォルダにまとめる、読書なら「心に残った一文」をメモしておくなど、ほんの小さなことでも記録に残してみましょう。後から見返した時に、「こんなこともあったな」「こんなことに気づけたな」と、喜びを再確認できます。これがモチベーション維持に繋がります。
誰かに話してみる(義務感なしで)


「こんな趣味始めてみたんだ~」と、気兼ねなく話せる友人に報告するのも良いでしょう。返ってくる反応が励みになることもありますし、新たな情報や視点を得られることもあります。ただし、相手の反応を気にしすぎたり、「すごいね!」と言われるために頑張ったりするのは本末転倒なので注意しましょう。
「秘密道具」をフル活用する


このブログの「秘密道具」カテゴリーで紹介しているような、あなたの「頑張らない」をサポートしてくれる便利グッズやサービスを積極的に取り入れましょう。例えば、自動で豆を挽いてくれるコーヒーメーカー、サブスクで届くミールキット、AIが自動でイラストを生成してくれるツールなど、文明の利器はどんどん活用すべきです。
まとめ:あなたの日常に「ゆるり」と彩りを
「頑張らない」生き方は、決して「サボる」ことではありません。それは、自分自身の心と体を大切にし、無理なく、心地よく毎日を過ごすための賢い選択です。
「ゆる趣味」は、そんな「頑張らない」生き方を実現するための強力な「秘密兵器」です。
あなたも今日から、義務感から解放された「ゆる趣味」を始めてみませんか? きっと、あなたの日常に「ゆるり」とした彩りと、穏やかな心のゆとりが生まれるはずです。